樹脂メッキ
プラスチックは軽さや加工のしやすさ、柔軟性、設計性などの面から多くの分野で使用されています。
けれども、金属と比較して耐熱性や耐候性に劣りキズがつきやすいなど、金属製品に置き換えるものとしては欠点となってしまう部分もあります。
そこで、おすすめなのが、プラスチックにメッキを施すこと。
美しい金属外観を付与できる事はもちろん、プラスチックの欠点を補い機能を向上させることが出来ます。
樹脂メッキ
特徴
プラスチックは従来、表面処理によって金属のような外観が付与され、商品価値が高められるという装飾的意味合いから表面処理がなされていました。
現在でも、この目的をもった用途例は多く、大半のプラスチックメッキ工場がABS樹脂やPC/ABS樹脂主体の装飾メッキを手掛けています。
しかし近年、プラスチック素材は高機能化が急速に進められ、ABSやPP(ポリプロピレン)などの汎用プラスチックを超えた、より高性能なプラスチック(エンジニアリングプラスチック)が多数開発され、実用に供されています。
いうまでもなくエンプラは、金属素材にはない各種の機能を具備するものとして、セラミックスと並ぶ最先端素材で、各種エンプラヘのメッキは必然的に素材の特徴、性能をより高度に生かす表面処理として注目を集めています。
エンジニアリングプラスチック(エンプラ)について
エンプラはその長期耐熱温度別に、
1. 汎用エンプラ(100~150℃)
2. 高性能エンプラ(150~200℃)特殊エンプラともいう。
3. 超耐熱エンプラ(200℃以上)スーパーエンプラともいう。
に分けることができます。
汎用エンプラ
エンプラのはしりは変性PPOで、20年以上も前に登場し、装飾目的でそのメッキ製品が自動車部品に採用されてきました。
次いで、亜鉛ダイカストの代替えとしてポリアセタールが、スチールの代替えとしてナイロンやポリカーボネートが、やはり自動車部品を主体に採用されました。
電磁波シールド対策として、無電解銅メッキ~無電解ニッケルメッキを施されたPC/ABS製のノートPCハウジングや携帯電話ケース、コネクターフード(電気ニッケルメッキ)などが市場に送り出されてきました。
特殊エンプラ、スーパーエンプラ
主用途が成形基板や立体成形基板、コネクタ、ICテスター、スイッチングといった電子部品であり、ハンダ付けやボンデイングの際の高温に耐えられることが第一条件となっています。
つまり、これらのエンプラにハンダ付け性やボンデイング性を付与するために、湿式メッキは不可欠の技術とされ、この特殊エンプラ、スーパーエンプラに充分な密着力を保証する湿式メッキを施せる専業工場には、きわめて高度な技術力が要求されます。
用途・機能
用途
自動車部品、水栓関連部品、住宅設備、ゲーム機、電子部品等々、さまざまな業種・業界で需要が高まり続けています。
機能
装飾性、耐熱性、耐候性、硬度