メッキや表面処理の緊急のご相談はこちらから!
メッキ試作ラボ 試作に関するメッキのお悩み、解決します!詳細はこちら
メッキ加工処理のトータルサポート メッキを含む表面処理一括サポート!メッキを含めた表面処理に加え、前工程、後工程も一括対応!お客様の手間を大幅軽減します!

銅メッキ

銅は熱伝導性、電気伝導性が高く、展延性に優れる金属であり、特有の赤みの色調を有しています。
銅メッキは、これらの銅の特性を活かして、鉄鋼や銅合金、亜鉛ダイカスト、プラスチック、セラミックスなどの様々な素材に装飾用、機能用として幅広く利用されています。

装飾目的としては、赤みの色調がそのまま利用されることもありますが、銅は変色しやすいため、最上層メッキよりも下層メッキとして使用される場合が多いです。
特に、硫酸銅メッキの優れた光沢性とレベリング性は、素材のキズを目立たなくする効果が強く、上層に施される各種メッキの仕上りを向上させることができます。
機能目的としては、プリント配線板へのメッキが代表的であり、高い電気伝導性と展延性が電子回路の性能と信頼性に寄与しています。

銅メッキ浴には目的に応じ様々な添加剤が加えられますが、一般に、添加剤を加えない場合は低硬度で高延性の皮膜となります。
逆に、外観向上を目的として添加剤を加えた場合、添加剤量の増加に伴い高硬度、低延性となる傾向があります。

硫酸銅メッキ(酸性浴)

硫酸銅浴は、建浴コストが安く、排水処理性が良いことから、プラスチックからプリント配線板まで広く利用されています。


特徴
  • 光沢、レベリング:非常に良好
  • 均一電着性:ハイスロー浴は良好
  • 電流効率:ほぼ100%
  • 素地選択性:卑金属不可
  • 浴管理:容易
  • 排水処理性:良好
  • 建浴コスト:安価
  • 主な用途:樹脂メッキ、電鋳・スルーホールメッキ

用途・機能
用途

高硫酸銅・低硫酸の一般浴は主に装飾用、電鋳用として使用されていますが、プリント配線板のビアフィリングメッキ用としても使用されるようになってきています。
低硫酸銅・高硫酸のハイスロー浴は、均一電着性に優れることから、プリント配線板のスルーホールメッキ用として使用されています。


品質維持のための取組み
浴の作り方

予備槽で浴容量の約6割の純水に硫酸銅を溶解したのち、硫酸を少量ずつ攪拌しながら加えます。
活性炭1~2g/Lを加えて1時間程度攪拌したのち、活性炭をろ別します。
その後、純水で液量を調整し、弱電解を2時間程度実施したのち、必要量の塩素イオン(塩酸または塩化ナトリウム)と添加剤を加えます。

 
浴の維持

硫酸金同濃度が低下すると均一電着性は向上するが、高電流部にヤケが発生し易くなる。
過剰になると、槽底部などに結晶が生じる場合があるので注意を要する。

 

特性から選ぶ

装飾性 防錆性 耐摩耗性
機械的特性 電気的特性 光的特性 熱的特性 物理的特性 科学的特性

上記の内容のメッキの詳細やメッキ処理に関する詳細の情報はこちらから

お問い合わせはこちら

ホウフッ化銅メッキ(酸性浴)

ホウフッ化銅浴は高電流を流せることが特徴で、高速メッキ用として使用されてきましたが、浴が高価であることや排水処理性が悪いことなどから、最近ではあまり使用されなくなっています。


特徴
  • 光沢、レベリング:悪い
  • 均一電着性:普通
  • 電流効率:ほぼ100%
  • 素地選択性:卑金属不可
  • 浴管理:容易
  • 排水処理性:フッ化物が難点
  • 建浴コスト:高価
  • 主な用途:電鋳高速メッキ

特性から選ぶ

装飾性 防錆性 耐摩耗性
機械的特性 電気的特性 光的特性 熱的特性 物理的特性 科学的特性

上記の内容のメッキの詳細やメッキ処理に関する詳細の情報はこちらから

お問い合わせはこちら

シアン化銅メッキ(アルカリ性浴)

シアン化銅浴は、鉄や亜鉛などの卑金属に密着の良いメッキを得るために不可欠とされています。
また、鉄鋼の浸炭防止としても使用されています。


特徴
  • 光沢、レベリング:悪い
  • 均一電着性:良好
  • 電流効率:浴組成で異なる
  • 素地選択性:ほとんどなし
  • 浴管理:やや難しい
  • 排水処理性:シアンの毒性が問題
  • 建浴コスト:普通
  • 主な用途:ストライクメッキ・浸炭防止

用途・機能
用途

シアン化銅浴は、シアン化第一銅とシアン化ナトリウム(もしくはカリウム)からなり、必要に応じ光沢剤や他の添加剤が加えられます。
銅の含有量により、低濃度浴、中濃度浴、高濃度浴に大別できます。
低濃度浴は主にストライクメッキに使用されます。
高濃度浴は高速メッキが可能ですが、持ち出しによるロスが大きいため中濃度浴が多く使用されています。
水酸化カリウムは、浴の電導性と電流効率、光沢性と光沢範囲を改善する目的で添加されます。


品質維持のための取組み
浴の作り方

予備槽で浴容量の約6割の純水にシアン化ナトリウムを溶解させ、純水でペースト状にしたシアン化銅を少しずつ攪拌しながら加え溶解させます。
必要に応じて、他の成分を加えて溶解します。
50~60℃に加温し、活性炭2~6g/Lを添加し、1~2時間攪拌したのち静置して活性炭を沈降させます。
その後、ろ過器を通して本槽に移し、純水で液量を調整、弱電解を2時間程度実施します。

 
浴の維持

管理項目は、シアン化銅、遊離シアン化ナトリウムで、いずれも分析管理が可能です。
特に、遊離シアン化ナトリウム濃度は変動し易く、重要な管理ポイントです。
遊離シアン化ナトリウムが少ないと電流効率は上昇するものの、脆い皮膜になってしまい、密着不良や陽極溶解不良の原因となります。
一方、遊離シアン化ナトリウムが多すぎると、光沢は良くなるものの電流効率が低下してしまいます。
その他、浴中の炭酸イオンの蓄積にも注意を要します。
炭酸イオンは空気中から吸収されますが、炭酸イオンが蓄積されると、電流効率の低下、陽極の溶解不良、光沢範囲が狭くなるなどの悪影響を及ぼしてしまいます。

 

特性から選ぶ

装飾性 防錆性 耐摩耗性
機械的特性 電気的特性 光的特性 熱的特性 物理的特性 科学的特性

上記の内容のメッキの詳細やメッキ処理に関する詳細の情報はこちらから

お問い合わせはこちら

ピロリン酸銅(アルカリ性浴)

ピロリン酸銅浴は弱アルカリ性で、強酸と強アルカリに侵されるような素材にも使用できる利点がりますが、鉄や亜鉛に対してはシアン化銅浴ほどの良好な密着が得られないことから、シアン化銅浴に置き換わるまでには至っていません。
メッキ浴の主成分は、ピロリン酸銅とピロリン酸カリウムですが、ピロリン酸銅は水に不溶性であるため、ピロリン酸カリウムと錯塩を形成させて可溶化します。
この他、少量のアンモニア水を光沢範囲を広げる目的で添加します。


特徴
  • 光沢、レベリング:良好
  • 均一電着性:良好
  • 電流効率:浴老化により低下
  • 素地選択性:少し有り
  • 浴管理:やや難しい
  • 排水処理性:キレート剤が難点
  • 建浴コスト:高価
  • 主な用途:ストライクメッキ・スルーホールメッキ

品質維持のための取組み
浴の作り方

予備槽に浴容量の約6割の純水を加え50~60℃に加温します。
ピロリン酸カリウムを溶解させたのち、ピロリン酸銅を少量ずつ攪拌しながら加えます。
(この時、急速にピロリン酸銅を加えると、部分的にピロリン酸カリウムが不足して不溶性の錯塩を生成させてしまうので注意が必要です。)
活性炭1~5g/Lを加え、1~2時間攪拌したのち静置して活性炭を沈降させ、ろ過器を通して液を本槽に移し、純水で液量調整させます。
必要量のアンモニア水を加えたのち、ポリリン酸もしくは水酸化カリウム溶液でpH調整します。そして、弱電解を2時間程度実施します。

 
浴の維持

管理項目は銅イオン濃度、P比(P207/Cu)、アンモニア濃度、浴pH、オルソリン酸濃度です。
銅イオン濃度が高くなると光沢範囲は広がるものの、平滑性が低下します。逆に低い場合、光沢範囲が狭くなり、レベリングも低下します。
P比は浴管理上重要なポイントになりますが、低い場合には均一電着性が低下し、光沢範囲が高電流密度域にシフトします。
また、皮膜の伸びも低下する傾向にあります。
一方、P比が高い場合には、均一電着性は向上しますが、光沢範囲が低電流密度域にシフトし、オルノリン酸の生成を促進してしまいます。
アンモニアは陽極の溶解促進だけでなく、光沢剤としても作用するため、アンモニア量が少ないと光沢範囲が狭くなり、陽極の溶解が阻害されてしまいます。
逆に多い場合には、低電流密度域が粗雑となり、均一電着性が低下してしまいます。
ピロリン酸銅浴には緩衝作用があり浴pHの変動は起こりにくいものの、陽極と陰極の電流効率に差がある場合には変化してしまいます。
pHの低下は均一電着性を改善しますが、ピロリン酸の加水分解が促進され、オルソリン酸が増加します。
pHの上昇は均一電着性と皮膜の伸び率を低下させてしまいます。
また、光沢範囲も狭くなり、アンモニアの消耗が増加します。 オルソリン酸はピロリン酸の加水分解により生成し、浴の老化に伴い徐々に増加します。
オルソリン酸の増加は皮膜物性や電流効率の低下につながることから、定期的な液更新の主な原因となっています。

 

特性から選ぶ

装飾性 防錆性 耐摩耗性
機械的特性 電気的特性 光的特性 熱的特性 物理的特性 科学的特性

上記の内容のメッキの詳細やメッキ処理に関する詳細の情報はこちらから

お問い合わせはこちら